« 謹賀新年 | Main | 日記(新年) »

日記(おおつごもり)

■12月 東京にて
終日論文書き。
一行書いては一行消し、遅々として進まず。
夜は同僚3名と若手の職員4名と神楽坂で飲む。

2時間たつやたたずやというところでラスト・オーダーだという。
そんなことは聞いていないと押し問答をしていると、
若い店長らしき男の子が来て、
次の予約が入っているから店を出ろと繰り返す。
聞いていない、いえ予約のとき言いました、
と、しばらくは水を掛け合っていたが、
こんな不愉快な店にいてもしかたがない、
出よう出ようということになり、ぞろぞろと店を出る。
行き違いがあったのは明らかで、
どちらの非とははっきりいえないものの、
はっきり言えないのなら、お客様の間違いですと言って
押し切ってやれというその態度がいやらしい。

そのあとはカラオケを2時間ほどやって、
帰ってきたのが10時半。
なにしろ8時に追い出されちゃったからね。

■12月 京北町にて
昨日東京から送った荷物が朝に届く。
さっそく本と資料を取り出し、論文に取り掛かる。
ようやく見えてきた形、早く文章にしてしまわねば。

実家の猫のたんたんは私が大嫌いである。
普段は年寄り二人とひっそりと暮らしているのに、
私が来ると通りかかるたびに撫でたり抱っこしようとしたりし、
時に追っかけまわしたりするのでうっとおしいのである。
カメラを向けると心底イヤそうな顔をする。

■12月 
人の声もしない。車の音も聞こえない。
しんしんと降りしきる雪の気配のみ。
終日論文書き。

午後にはK氏が恒例の鯖寿司とともに来訪。
母は叔母のところにおせち料理を取りに行っている。
ごまめ、京人参やら栗の入ったお煮しめ、出巻き、黒豆。
それに母の炊いた棒ダラの煮物。

関東の人は棒ダラを知らないらしい。
端的に言うと干したタラの半身である。
人を殴り殺せちゃうくらいかたーいヤツを番茶でぐつぐつ煮て、
さらにだしの中で煮て作る。
特においしいものではないけれども、
新鮮な魚がなかった京都のタンパク源だったのであろう。

■おおつごもり
おとなう人もない静かな年の暮れ。
面倒をかけさせてあげるのも親への親切。
だから孝行ムスメは上げ膳据え膳、終日こたつで論文書き。

■元旦
寺に住んでいた昔は、朝7時には起こされ、
ヒーターもない本堂で父がお経をあげるのを震えながら
がまんして聞いたあと、お雑煮と御節と数の子の朝食をいただく、というのが
元旦の朝の行事であった。
つまり、サカキバラ家の一年は「まんまんちゃん、あん」で
始まっていたのである。(←まだ引っぱるか・・・)
それからはひっきりなしにやってくる墓参りの檀家さんたちに
忙殺される。

寺を止めてから3年ほどになるが、
両親はいまだに正月のたびに「ええなあ、静かなお正月は」と
言い言いする。

そう言えば、檀家さんのおじいさんで、
私と妹の経歴をごちゃごちゃにして覚えていた人がいた。
彼は挨拶に出た私を見て、
「ああ、アメリカいっといなはった娘さんかいな。
琵琶かなんか弾いたはるんやったな?」と言った。

「はい、たしかに私がアメリカに行ってた娘ですが、
楽器を弾いてるのは妹のほうでそっちはフランスにおります。
しかも、楽器は琵琶ではなくチェロです。」
(言われてみれば形は似てるかも・・・)

訂正してもよかったのだが、それもなんだか面倒くさくて、
結局そのままにしてしまった。
今でも彼は私がアメリカで琵琶法師をしていると思っているだろうか。

|

« 謹賀新年 | Main | 日記(新年) »

「日記」カテゴリの記事

Comments

おめでとうございます。
ご実家は「お寺さん」でしたか。
そこのお嬢さん方が、フランスやアメリカに。。
なんとも楽しいお話でした。

今年もよろしくお願いします。

Posted by: サカエ | January 02, 2006 at 11:47 PM

>サカエさま、
おめでとうございます。
どうやらおじいさんの頭の中では、
寺の娘は琵琶ということになってるようです。
たしかにそっちの方が雰囲気は合ってると
思いますけど…

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

Posted by: richico | January 03, 2006 at 08:20 AM

遅ればせながら・・・
新年、明けましておめでとうございま~す。

いつも楽しく拝見させていただいてます。
私の実家の猫なんか、私の顔はおろか、足音を聞くなり一目散に逃げ出します。
たまにコタツの中などに逃げ遅れているときは、存分に可愛いがってあげてますが・・・(ふっふっふ)

今年もよろしくお願いします。

Posted by: yukirin | January 04, 2006 at 12:57 PM

richicoさん、あけましておめでとうございます。
もう、4日ですけどね^^

まんまんちゃんあん、については、つい最近、某国営放送で言ってたのを聞いたような気がします。
たしか、お経を覚えられない庶民が、代わりに唱えた言葉で、関西限定といってたような^^

>今でも彼は私がアメリカで琵琶法師をしていると思っているだろうか。
アメリカで琵琶を弾きつつ彷徨う寺の娘、っていうのんがなんか素敵っすねー。
ところで、別にけんか売るつもりはないんすけど、
法師って、女性可っすか(^^?

でわ、今年もよろしゅうに^^


Posted by: ぷんぷい@bkk | January 04, 2006 at 02:45 PM

あけましておめでとうございます、琵琶法師せんせい。
今年もお世話になりっぱなしになりそうですが(?)どうぞよろしく。

>寺に住んでいた昔
そうそう、貴女のご実家ってお寺さんだった!!
これがAnko嬢が「これまでクリスマスツリーとは縁がなかった」と書いてらした理由だったのね。
今の今までなんであのリベラル・アメリカンサカキバラ家にツリーがなかったのか不思議でなりませんでした。

Posted by: Naomi @ London | January 04, 2006 at 07:25 PM

>yukirinさま、
おめでとうございます。
ご無沙汰しております。お元気そうで何よりです。ブログで赤ちゃんの成長を見させてもらってますよ。今年もどうぞよろしく。

>ぷんぷい@bkkさま、
おめでとさんです。
法師ってオトコ限定でしたっけか?
今年もどうぞよろしくー。

>Naomi@Londonさま、
ハイ。確かにアメリカン・リベラルな両親でしたが、祖父母がメイド・イン・ジャパンばりばりだったものですからー。っていうか、アンタ、中学んときも、高校んときも、ウチにきてたやん。

Posted by: richico | January 06, 2006 at 01:37 PM

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
人一倍寒がりの私は、初めての松本の冬に参っています。ちなみに、今日は日中の最「高」気温でマイナス3度以下でした(泣)。

>寺を止めてから3年ほどになるが、
お寺って止められるもんなんですか~!?
あ、、お寺を止めるっていうと、お寺がいきなりリフォームして普通の家になったりするのかなぁ、なんて想像してしまいましたが、そういうわけじゃないですよね。。。

私の父親、私が大学生のときに脱サラして牧師になったんです。
私の場合、実家がいきなり教会になっちまったもんだから、すごい変な感じがしました。15年経った今でも、十字架つきの看板が実家に立ってるのは未だに慣れませぬ。

Posted by: ユリコ | January 06, 2006 at 11:54 PM

>ユリコさま、
松本の冬は寒いよねえ・・・
脅すわけじゃないけど、2月はもっとスゴイよ。

「お寺をやめる」というのは、父親が住職を辞め、娘が二人とも住職の婿養子を取らなかったため、両親が寺を出て移住した、ということです。
そうだよね、普通の人はわからんよね。彼が住職をずっと続ける気があったなら、まだ寺にいたはずですが、どうやら彼も辞めたかったようです。

ほー、おうちが教会に・・・それもまた、おとうさま、相当な大決心ですね。仏教の場合、普通の家を突然お寺にするというのができるのかどうか?お墓とかどうすんだろ?本山の許可が下りなきゃだめだろうな、いずれにしても。知ってるようでよく知らないのがこうした宗教のシステムですね。

Posted by: richico | January 07, 2006 at 09:21 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30905/7965916

Listed below are links to weblogs that reference 日記(おおつごもり):

« 謹賀新年 | Main | 日記(新年) »