<ことば>ノート学生版復活、あるいは200個めの記事
基本的に物書きにとって、書いたものの数というのは問題にはならない。
一冊で名を残す人もいれば、何百冊書いても歴史に残らない人もいる。
仮にも「物書き」という<ことば>で自分を名づけたいなら、
書いたものの数をあげつらうことは愚の骨頂だと知らなければならない。
だから「200個目の記事だ」などと喧伝して悦に入っている私は、
明らかにちゃんとした「物書き」ではない。
ただ、いつの日にか自分のことを「物書き」だと呼べる日が来ることを、
心の中で願い続けていることは確かであって、
思えばこのブログはそのためのいささかdesperateな試みであったのだ。
もっとも、ここで私の言う「物書き」とは、
小説家、という意味でも、
ジャーナリスト、という意味でも、
本を出版して生計を立てている人、という意味でもない。
ただただ、自分の満足のいくテクストを産出する者、という意味である。
それが小説であってもなくてもいいし、研究論文であってもいいし、
ジャーナリスティックな文章であってもいい。
まして、それで食っていけるかどうか、なんてことはどうでもよい。
問題はもっと他にあって、「自分の満足のいく」という基準が、
自分でもよくわからぬことだ。
なんじゃ、それは?と言われそうだが、そうなのだから仕方がない。
どうやら書きながら探すしかないらしい、ということもようやく最近わかってきた。
だからかなりの確率で、私が物書きになる日は永遠に来ないのである。
まあ、それはそれとして、これは200個目の記事である。
別にそれを記念してというわけでもないが、
一つアナウンスメントがございます。
「このたび<ことば>ノート学生版」という名前の新しいブログを作ることにしました。」
以前、基礎演習IIAという授業で2クラス、50人ほどの学生を受け持ったとき、
<ことば>ノートという題で一月に一回、
A4一枚限定でエッセイを学生に書いてもらった。
授業とは関係なく、日常生活で<ことば>について考えたことを書け、という
お題の自由作文みたいなものである。
文体は論文調でもエッセイ調でも村上春樹調でも「野ブタ」調でもかまわない。
集まったものにはあまり手を入れずに、
学生だけが入ることのできる非公開のブログを作ってそこで発表した。
私の所属する学部では、
学生たちはレポートだのなんだのを大量に書かされることになっているが、
それが人目に触れることはほとんどない。
担当の先生がそれを見るだけだ。
そして、先生だっていちいちコメントをくれる人はまれだ。
つまり、学生は書いたら書きっぱなしなのである。
でも、本当は書き物というのは、読む人がいて初めて「書き物」になる。
公表を前提としてものを書こうとした経験のある人なら誰でも、
「読者を想定して書く」ということがいかに難しいかということ、
でも実はそれこそが明解な文章を書くために一番重要だ、
ということを知っている。
私は<ことば>をテーマにした基礎演習で、
そのことを学生たちに体で覚えてほしかったのである。
成功したのか、不発に終わったのか、私にはわからない。
ただ、私はなんとかして続けたいな、と思ったのである。
しかし、いろいろとわけがあって結局その授業の後、
2学期間<ことば>ノートは休止した。
それを再開しようというのである。
どれくらいの頻度で更新できるかはわからない。
授業で強制するわけではないから、
学生たちが忙しい生活の合間を縫って新しいものを書いてくれるかどうかも
わからない。
だが、まあ、とにかくやってみよう。
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私のブログを読んでくださっている方で、ご興味がおありでしたら、
学生たちの<ことば>に関する思考の断片を
読んでやってくだされば幸いです。
コメントをいただくことができれば、なお幸いです。
「読者」の存在を意識すること。
それこそが、彼らの書く力、<ことば>への感覚を伸ばすものだからです。
画面左手のリンクのところからお入りください。
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