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August 20, 2009


私は空港に向かっている。
この飛行機を逃すと日本に帰れない。絶対乗るのだ、と思っている。
それなのに、私は出発時刻を正確に知らない。
ただ遅れそうだ、ということだけ知っている。

周りの人々は優しく、暖かく、私を送る会を催してくれている。
なのに、私は出発の時間が気になって気になって、
ちゃんと彼らに応対することができない。

ごめんなさい、ごめんなさい、こんなにしていただいたのに、
と呟きながら、それでも私は空港を目指す。
空港に行くには私が普段は通らない猥雑な町並みを
通りすぎていかなければならない。
品物を積み上げた市場の細い路地は、嗅いだことのないような、
複雑なスパイスの香りがし、狭い階段にはモノが溢れ、
肌の色の違う男達が私をじろじろ見ている。

ごめんなさい、ごめんなさい、
私は日本に帰らなければならないの、
どうしてもあの飛行機に乗らなければならないの、
ごめんなさい、ごめんなさい。。。
私は東洋人の人形のようにぺこぺこ頭を下げながら、
卑屈な愛想笑いを浮べて、先を急ぐ。

空港は、恐ろしいほど近未来的で、
銀色に輝く、上が見えないほど長いエスカレーターを
上がっていかなければならない。
一列に並んで横を開けるなどというルールを持たない人々を、
右へ左へ掻き分けて、ああ、遅れる、遅れる、と
私は動かない足を引きずってどこかを目指す。

待って、待って、置いてかないで。
私はそれに乗らないと日本に帰れないんです。

涙で喉がきゅっとなって、目が覚めた。

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