本に日付を入れると...
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サブゼミで読む本は私が自分の気分で決めている。
今回の課題本は、ミシェル・フーコーの『監獄の誕生』だ。
クリーム色の布張りの新潮社版を久しぶりに引っ張り出して来た。
懐かしい手触り。
私は岩波の学術書などによくかけられている薄紙が大嫌いで、
買ったらまずひっぺがすのだが、この布張りの手触りはよい。
「榊原蔵書」という蔵書印が変な形に歪んで押されており、
Richie Sakakibara Feb. 1991 Ann Arbor
とボールペンで記されている。
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最近は買った本に日付を書くこともなくなっていたが、
年を取ってから見てみるとなかなか面白いものだなあ、と思う。
また復活させるかな。
1991年といえば、大学院の一年目である。
Ann Arborはミシガン大学がある街の名前。
ファーストネームがRichiではなくRichieとなっているのは、
アメリカの病院で発行されたBirth Certificateがそういう綴りになっていて、
それにもとづいて作られた私のアメリカのパスポート表記がそうなっていて、
それをもとに私の学籍が作られていたからである。
私の博論も表紙にはRichieと書かれている。
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アメリカの大学院だから授業で読んだのは英語版で
Discipline and Punishという題だったと思う。
英語版で読んでさっぱりわからず、日本で日本語訳を探した。
英語では「フコー」と「コー」にアクセントがつく名前も、
日本語では「フーコー」とひらぺったくなることもこのとき知った。
この手の本が「現代思想」と呼ばれていることも
このとき初めて知ったのではなかったか。
私が唯一読んでいた『現代思想』という名前の本は、
清水幾太郎が書いたものだったから、
それとはまったく別の意味内容を持った言葉なんだと気づくのに
妙に時間がかかってしまった。
いっぱい線が引かれているところを見ると
大学院に入りたてほやほやの私はかなり必死になって読んだらしい。
この本がフーコーや他の「現代思想」の人々の書き物に比して、
かなり平易に書かれていることに気づくのは、
さらにもっともっと後のことである。
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そのつもりで選んだわけではなかったが、
この『監獄の誕生』は前回の課題本、
Never Let Me Go(邦題『私を離さないで』)の主題と
かなり重なる。
議論が楽しみだ。
